今日は、「人の一生は重荷を負て遠き道を行くが如し、急ぐべからず」の遺訓を残した東照公家康を祀る久能山東照宮です。
参拝は海岸線から1159段の階段を上る表参道経由か、日本平からロープウエーを利用して5分で行ける二通りのルートがあります。久能山駅からは眼下に多くの「石垣イチゴ」のハウスを見ることが出来ます。久能山はもともと天然の要害で一時は武田信玄が久能城を築いたとも伝わります。楼門の前では自撮りをする人多数、後ろ向きで観光する文化は定着したようです。 楼門を過ぎ、鼓楼を抜けると唐門と国宝の社殿が見えてきます。社殿は本殿、石の間、拝殿からなる権現造りの複合社殿で権現造り社殿が全国的に広まった契機となる最古の東照宮建築と云われています。 境内にある日枝神社には徳川家代々の葵の紋が展示されていす。フタバアオイの葉は通常二枚なので三つ葉葵は架空のものです。徳川宗家が私用する三つ葉葵を特に「徳川葵」と呼んでいます。御三家では其々、葉の模様(芯)の数に違いがあります。将軍家でも徳川三代までは一枚当たり33本ですが、徐々に減少し慶喜は写真のように13本しかありません。 拝殿側から唐門の裏側を眺めた処ですが、総漆塗り、極彩色のなかに徳川葵が所狭しと描かれています。秀忠により創建され、朝廷より「東照大権現」の神号を賜り、将軍家の威光ここに極まれりの感がありますが、孫が作った日光東照宮は更にその上を行く威容を誇ります。 日光東照宮より19年前に造られ、比較すると多少地味かもしれませんが、彫刻、模様、組み物には桃山時代の技法も取り入れた江戸初期の代表的な建築です。 拝殿の回廊に描かれている唐獅子と随身、修復されたのかとても鮮やかです。 家康が家臣の為に、「よろず程のよ木」、「志ひふか木(慈悲深き)」、「志やうぢ木(正直)」を常に信用すれば必ず富貴が得られよう と諭したと伝わるものです。 本殿の裏、金のなる木の横にある「神廟」、家康公の墓所で参道には諸侯の奉納した石灯籠が並ぶ。 本殿の玉垣に施されている透かし彫りで全部で109枚あります。花、鳥、獣を題材にしていますがこれは西側にある「梅に雀」でパンフレットにも載っています。 本殿西側の庇下にある龍の彫刻、極彩色が印象的です。 楼門裏手、左右には狛犬が置かれています。 楼門の上に置かれた「獏」の彫り物、鉄や銅を食べるので平和の象徴と云われます。此処は日光のような一大観光地ではありませんが、山の中に静かに建つ壮麗な社殿は一見の価値はあります。 完
by Urbanowl402
| 2017-05-31 17:11
| 古寺巡礼
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